弁護士になるには

法科大学院の魅力

法科大学院とは

法科大学院制度について

司法制度改革※1において、今後、法曹需要が増大することに鑑み、質を維持しつつ、法曹人口の大幅な増加を図るため、司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備することとされました。
その中核が、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院になります。

法科大学院制度の詳細な内容については、以下の文科省のHPをご参照ください。

※1 司法制度改革に関するパンフレット(発行元:司法制度改革推進本部)

2つのコースについて

法学未修者を対象とした3年コースと、法学既修者を対象とした2年コースがあります。

今はなき、大宮法科大学院について

私たち第二東京弁護士会も、自分達の手で弁護士を育成しようというコンセプトの元、学校法人佐藤栄学園とタッグを組み、埼玉県の大宮に法科大学院を設立しました。
司法改革制度の理念に則り、多様性のある人材を法曹に育成すべく、社会人出身者、他学部出身者、女性など様々なバックグラウンドを有する者達を入学者として受け入れました。
残念ながら2015年に閉校してしまいましたが、計約100名の個性豊かな弁護士を輩出し、現在、様々な分野で活躍中です。

どこにあるの?

全国法科大学院マップ

法科大学院は、全国の大学に設置されています。

全国法科大学院マップ

また、社会人が働きながら通える夜間コースを設けている法科大学院は、日本大学と筑波大学と琉球大学の3校になります。
なお、上記は2020年3月時点の情報になりますので、最新の情報については、ご自身でご確認ください。

どうやったら行けるの?

入学から卒業まで

法科大学院に入学するには、各大学院の実施する入学試験に合格する必要があります。
入学試験の受験資格は、原則として大学を卒業している(または卒業見込みである)ことです。 中には、大学に3年以上在籍し、優秀な成績を収めた者に受験資格を認める、いわゆる「飛び級」の制度を採用している法科大学院もあります。
詳細については、各法科大学院のHPなどでご確認ください。

入学試験について

入学試験の態様は、各大学院、募集コースによって様々ですが、概ね、第一次選考として書類選考を行い、 これを通過した者に対して、第二次選考として未修者コースでは小論文試験、既修者コースでは法律科目の試験などをし、 最終的に面接試験をして合否を判断する大学院が多いようです。

どんなことをするの?

法科大学院では、少人数制での教育を前提とし、講義形式ではない双方向・多方向(ソクラテスメソッドなど)のやり取りを行う授業が中心となります。 受け身で講義を聴くだけでは得られない知的刺激を受け、法的議論の力も磨かれます。

司法試験の科目となっている法律に限らない幅広い法律科目が設置され、将来法曹となった際に役立つ、実務研修や体験学習など実践的な授業も行われます。
研究者教員だけでなく弁護士や裁判官、検察官などの実務家教員も多く加わり、より実務に直結した学習をすることができます。 単なる試験勉強にとどまらない、有意義な学習ができるところが法科大学院の大きな魅力です。

さらに、同じ志を持つ仲間たちと3年又は2年もの間、切磋琢磨するというのも得がたい経験であり、法科大学院で学ぶことの大きな意義です。

いくらかかるの?

学費

国公立の法科大学院は、年間の学費が約60万円~80万円程度であるのに対し、私立の場合は、約50万円~150万円程度とかなり幅があります。
詳細については、各法科大学院のHPなどをご確認ください。

奨学金制度

日本学生支援機構の奨学金(原則、要返還)や、各法科大学院が成績優秀者などに学費を免除するといった独自の奨学金制度を設けていますので、詳細については、以下及び各法科大学院のHPなどをご参照ください。

卒業したらどうなるの?

司法試験の受験資格を得ることができます。司法試験に受かった後は、司法修習を経て、弁護士、検察官、裁判官といった法曹になることができます。
法務博士の資格が取れるため、企業の法務部などで活躍することも可能です。

卒業生の声

法科大学院を卒業した後は、それぞれの進路で法律に携わりながら人々の生活をサポートしていきます。

卒業生の声 川本一徳弁護士

川本先生1.法科大学院に入学した経緯
法科大学院に入学すれば、7~8割は弁護士資格を取得可能との情報があったため興味を持ちました。2004年4月、当時30歳、総合商社に勤務しながらでも夜間に学修可能な大宮法科大学院の1期未修コースに入学しました。
"点"での競争(試験合格に向けて合理的・効率的に準備)は大学受験で十分やったので、次は学ぶプロセスを楽しみたいと思っていました。

2.法科大学院で学んでよかったこと・役立っていること
大宮法科大学院の教授、同級生、後輩とは、今でも数多くの付き合いが続いており、有難く嬉しく思っています。特に、教授であった弁護士には、今も色々とご指導を頂いております。
司法試験の合格に向けては、おそらくは遠回りだと思いますが、教授と未熟な学生とで、自分の考えを様々勝手にたたかわせたことは楽しい思い出です。単なる受験勉強だけの3年間ではなく、一見すると無駄に思える時間がそれなりにあったところが逆によかったと思っています。

3.弁護士業務の魅力や苦労するところ
私は、弁護士になった当初より、幸か不幸か経済的に自立独立しており、勤務時間、勤務場所、どれだけ働くか、どれだけ稼ぐか、何をして稼ぐか、何をしないか、誰とやるか、などなど、仕事については全て自分の完全自由裁量なところが最大な魅力だと思っています。嫌いな上司や同僚、言うことを聞かない後輩という概念もありません。
苦労する点は、自分が稼がないと誰も稼いでくれないことでしょうか(当たり前ですが)。
裁判も含め、およそ紛争というものは、双方に、少なからず落ち度があることが多いのですが、自分の非は認めず、相手の非だけを追求したい依頼者対応は、難易度が高く、苦労が大きいです。

4.法科大学院を目指す後輩へのメッセージ
法曹になるという先ず一つ目のゴールに、リニアモーターカーで最速で向かうのも良いですが、ローカル線で、駅弁を食べ、風景を味わいながら、時には温泉につかりながら、色々考えゆっくり進むのも悪くはありません。どうせ最速で法曹になったとしても、また次、また次と、長い旅が続くわけですから。

卒業生の声 國本大貴弁護士

國本先生1.法科大学院に入学した経緯
私は、大学生の頃から司法試験に向けた勉強をしており、大学4年生の時に予備試験に合格したのですが、司法修習へ行く前に、法曹実務や法学の基礎的な部分をより深く勉強したいと考えていたため、法科大学院に入学しました(司法修習に行くため、司法修習直前に中退しています。)。
また、大学では、就職に関する情報がほとんどなかったため、弁護士事務所の情報を得る目的もありました。
また、副次的ですが、司法試験に落ちてしまったときに、学習を継続できる場所を確保したかったため、という理由もありました。

2.法科大学院で学んで良かったこと・役立っていること
日本の法律家として活躍されている学者の先生方や法曹の方に、直接教えてもらえるため、基本科目はもちろん、そうでない科目についても理解を深めることができると感じました。
特に、倒産や労働など、日常の業務でよく問題となる法律について、体系的に勉強できる機会があった点は、現在でも直接役に立っていると感じています。
また、当然のことながら、学生は法曹を目指す人たちがほとんどでしたので、同じく法曹を目指す知り合いや、現在法曹として活躍されている方とのつながりも、かなり増えました。

3.現在の業務内容
現在は、企業法務の中でも主にファイナンス法務に携わっており、契約書のレビューが業務の中心を占めています。
また国選弁護も個人的に行っており、刑事弁護の勉強会にもたまに参加しています。

4.弁護士業務の魅力や苦労するところ
非常に多くの案件を取り扱い、問題となる事項も様々です。そのため、毎日のように悩むことがあり、精神的な負荷はかなり多いのではないかと思います。
しかし、その分自分の力で考え、結論を出すことも多いです。そして、その結論がダイレクトに結果に結びつくことも多いです。自分の力をもって、人々の助けとなることができる点は、弁護士業務の大きな魅力だと思います。

5.法科大学院を目指す後輩へのメッセージ
司法試験に合格するためには法科大学院は不要ですが、人々を助ける法律家の思考力や知識を学ぶという点では、非常に素晴らしい場所だと思います(実際、精力的に法科大学院で学習していらっしゃった方は、他の方と比べて知識や思考力が非常に優れていると感じることが多くあります。)。
また、何より、試験勉強よりも踏み込んだ内容の勉強や、実社会での法律問題に触れる機会も多く、楽しい場所だと思いますので、是非、法科大学院でたくさん学んでください!

卒業生の声 阿部絵美麻弁護士

阿部先生1.法科大学院に入学した経緯
当時、外資系広告代理店の営業をやっていたのですが、何か専門性を持ちたい×自由に一生働ける仕事がしたいと思い、弁護士を目指しました。その前提として、法科大学院を卒業すれば、6〜7割は司法試験に合格すると思い込んでいたのですが、現実はだいぶ違いました。

2.法科大学院で学んでよかったこと・役立っていること
論理的思考方法が身についたことです。弁護士以外の仕事でも必ず役に立つと思います。

3.現在の業務内容
顧問先の企業法務が中心ですが、化粧品会社の社外取締役もやっています。
あとは、女性の依頼者が女性弁護士を希望されるケースが多いので、離婚事件等もやっています。

4.弁護士業務の魅力や苦労するところ
魅力は自由なところです。どんな仕事をやるかも、いつ働くかも全ては自分次第なので。
苦労するのは、自分には全く非がないと思っている依頼者を説得して和解に持ち込む時です。一番の敵は相手方でなく依頼者だとよく言いますが、まさにその通りだと思います。

5.法科大学院を目指す後輩へのメッセージ
中高大とは全く違い、能動的に学ぶ場なので、勉強が楽しく感じると思います。
授業も実践的な内容が多く刺激的です。
色んな事を深く学べる貴重な機会だと思うので、是非、有効活用してください!

下記のHPで実際の卒業生のインタビューが紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

その他:留学制度について

第二東京弁護士会には、カリフォルニア大学 ヘイスティングス・ロースクール(University of California Hastings College of the Law)と中国人民大学法学院(北京)への留学制度があります。
中国人民大学法学院へ留学した弁護士のことが下記の記事に紹介されています。