学校の決まり(校則)
学校の決まりについて悩んだり、考えたりしている皆さんへ
皆さんには色々な権利や自由がある
このページを読んでくれている子どもの皆さんに、まず伝えたいのは、皆さんには色々な権利や自由があるということです(詳しくは、子どもの権利のページを読んでみてください。)。皆さんには、自分のことを自分で決める権利(自己決定権といいます)があります。学校の決まりは、皆さんの自由を制限することも多いですよね(学校へ登校する時は、決まった服装をする、髪の染色や特定の髪型をしてはいけない、シャーペンを使ってはいけないなど)。なんで学校の決まりに縛られなくてはいけないのだろう?と思っている人もいるかもしれません。
どんな時に決まりが必要?
学校は集団で学ぶ場なので、学校に通っている子どもみんなの安全、そして、皆さん以外の様々な価値観を持つ子どもたちの権利や自由も守る必要があります。皆さんが持つ権利や自由と他の子どもたちの権利や自由とを調整する必要もあります。そのために、学校でルール(決まり、校則)が必要な場合もあります。
決まりはどうあるべき?
しかし、学校だからといって、どんな決まり(校則)を作ってもよいということではありません。では、学校の決まりはどうあるべきなのでしょうか。学校の決まりについて考える時は、まず、①なぜその決まりがあるのか(決まりの目的)を考えてみましょう。だいぶ昔に作られた校則が変わらず残っていることも多いので、時代が変わって、いらなくなった決まり(校則)もあるかもしれません。次に、②目的はよいとしても、その目的を達成するために、その決まり(校則)によって、みんなの権利や自由が制限されすぎてはいないかを考えてみてください。できるだけ皆さんの権利や自由を制限しない方法で、①の目的を達成できないのかなということを考えてみてください。
意見を言う権利
また、皆さんの中には、学校の決まりがおかしいな、学校の決まりを変えたいなと思っても、先生に伝えるのをためらっている人もいるかもしれません。でも、皆さんには、大人に対して、自分に関係することについて、意見をいう権利があります。これは、子どもの権利条約やこども基本法で保障されている皆さんの大切な権利です。皆さんが、学校の決まりを見直したいなと思った時は、クラスでの話し合いを提案したり、学校に目安箱のような制度があったら、そのような制度を利用して、学校や生徒会に意見を出してもいいかもしれません。
さいごに
学校の決まりについて、考える時に、覚えていて欲しいのは、何を大切に思うのかの価値観は人それぞれということです。皆さんにとってよいと感じることが、他の人にとってもよいとは限りません。なので、学校の決まりについて考える時は、多数決ではなく、少数の意見も尊重しながら、話し合いをしてみてください。皆さんには、皆さんの周りのことや社会を変えていける力があります。学校の決まりで悩みや困ったことがあったときには、第二東京弁護士会のキッズひまわりホットラインや弁護士子どもSNS相談に来てみてくださいね。一緒に考えましょう。
学校の決まりの見直しについて考えていらっしゃる先生方へ
このページを読んでくださっている先生方の中には、子どもの権利が大切とは聞くけれど、「子どもに権利を教えたら、権利ばかり主張するようにならないか?」、「学校運営に混乱が生じるのではないか?」などと心配されている方もいるかもしれません。
子どもにも、自分のことを自分で決める権利や自由があります。それは、日本も批准する「子どもの権利条約」や2022年に国内で制定された「こども基本法」に基づく大切な理念です。しかし、それは何でも子どもの言うとおりにするということではありません。子どもの考えを受け止めて、大人も一緒に考える、子どもの思うとおりにできないときは、その理由を説明する、子どもに関わることを決める時には、子どもがその意思決定に参加できるということが大切です。
学校の決まりを考える時も、子どもの権利の視点を忘れないでください。
①なぜ、学校でその決まり(校則)を作るのか、②できるだけ子どもの権利や自由を制限しない方法で、①の目的を達成できないのかを考えてみてください。
校則調査のご紹介
当委員会は、2023年度に、東京都23区内の公立中学校、中等教育学校及び義務教育学校375校の校則調査を行いました。また、2024年度には、これらの学校において、校則が見直されているか、見直されていた場合にはどのような見直しがされているかについて調査しました。これらの調査結果を報告書にまとめています。
ルールメイキング授業のご紹介
ルールメイキング授業とは
第二東京弁護士会では、第三者である弁護士が、子どもの権利の視点から、学校のルールを合理的なものにするための考え方について、視点を提供する授業を提供しています。皆さんの学校の決まりを批判したり、弁護士が考える正解を伝えるような授業ではありません。学校の決まりに対しては、学校内で様々な意見があると思います。他者の意見を尊重しつつ、合理的なルールはどのようにしたら作れるのかを、弁護士が子どもと一緒に考えます。この授業を通じて、子ども達は、自分自身のことや周りのこと、そして、社会のことについて、自分で考え、自分の意見を伝えること、また、それと同時に、周りの意見を尊重し、調整していくことの大切さを学ぶことができます。
お申込みはこちら
- 第⼆東京弁護⼠会 ⼈権課 担当:子どもの権利に関する委員会 Tel:03-3581-2257 / FAX:03-3581-3338
授業概要
- 実施方法‐各クラス、学年合同、有志生徒に向けてなど、ご相談に応じます。
- 時間‐1コマまたは2コマ(2コマの場合には、ルールについての話し合いの時間を長く取れます。)
- 対象‐小学生から高校生
- 費用‐ご相談ください。
実施までの流れ
- お申し込み
原則として、実施日の1か月前までにお申込みください。
お申し込みはこちら
- 第⼆東京弁護⼠会 ⼈権課 担当:子どもの権利に関する委員会 Tel:03-3581-2257 / FAX:03-3581-3338
- 弁護士会からの連絡
- 担当講師の決定
- 担当講師と学校との打ち合わせ
学校の決まりの状況、授業で題材とする学校の決まりについてご要望があれば、そのご要望、強調してほしい点などをお聞きしながら、授業内容を調整します 。 - 実施

